◆ 鈴木大介プロフィール

作曲家の武満徹氏から「かつて聴いたことがないようなギタリスト」と評され、その後の目覚ましいソロ活動と多くのアーティストとのコラボレーションの成功により、鈴木大介は新しい世代の音楽家として注目され続けている。8歳から市村員章氏に、その後福田進一氏、尾尻雅弘氏にギターを、また18歳より川上哲夫、中島良史の両氏に作曲を師事。93年早稲田大学第一文学部卒業。

1992年バルセロナのマリア・カナルス国際音楽コンクール・ギター部門第3位、1993年イタリアのアレッサンドリア市国際ギターコンクール「オマジオ・ア・アンドレス・セコビア」優勝。1994年より1年間文化庁派遣在外研修員としてザルツブルクのモーツァルテウムに留学。この間、エリオット・フィスク氏、ホアキン・クレルチ氏のもとで、ルネッサンス及びバロック期の音楽、現代の音楽へのアプローチを学ぶ。オーストリア、イタリア、チェコ等ヨーロッパ各地でのリサイタルで高い評価を得た後、帰国。

1997年「武満徹ギター作品集成」をリリース。ベストセラーとなり、一躍武満徹作品の代表的奏者のひとりとなる。同年、松本サイトウ・キネン・フェスティバルの「武満徹メモリアルコンサート」に出演、集中力ある演奏で絶賛され、以後もたびたび招かれている。
1998年2月神奈川県立音楽堂で武満徹作曲「虹へ向かって、パルマ」を演奏。1999年2月20日東京オペラシティコンサートホールで渡辺香津美氏と共演した武満徹追悼のリサイタルは多くの人々の共感を呼んだ。

2000年出光音楽賞受賞。

2001年オペラシティでのレパートリーを中心にしたアルバム「どですかでん」を発表。2002年2月20日には再び東京オペラシティコンサートホールに登場、ギター協奏曲「夢の縁へ」を演奏する。2003年東京都現代美術館で開催された「田中一光回顧展」でのミニコンサートシリーズの構成・演奏を行う。2004年白寿ホールにて、20世紀の作品を中心にした新しいギター音楽に光をあて、磨きをかけるコンサートシリーズ「ギターエラボレーション」をスタート。また、クロード・ボリング、マーティン・テイラーといった外来アーティストのコンサートやツアーにもゲスト出演する。

2004〜2005年、パリ・シャトレ座とベルリン国立歌劇場で、武満徹作品によるシアター・ピース「My Way Of Life」に参加。

武満、ロドリーゴを始めヴィラ=ロボス、フランセにいたるまで数多くのコンチェルトを演奏する他、思索的なインプロヴィゼイションや、リリカルな現代音楽へのアプローチは、揺るぎない個性として賛辞を浴びている。武満やパラグアイの作曲家バリオスの作品をはじめ多くのCDをリリース。透明で色彩にあふれた演奏は常に賛辞をもって迎えられ、同時代の作曲家による作品の初演も意欲的に行っている。

「カタロニア讃歌〜鳥の歌-禁じられた遊び〜」は平成17年度芸術祭優秀賞(レコード部門)を受賞。武満徹没後10周年を記念し、武満徹映画音楽集を2006年9月リリース

平成17年度芸術選奨文部科学大臣新人賞を、ギタリストとして初めて受賞。

現在、NHK-FM「気ままにクラシック」のパーソナリティを務めている。洗足学園音楽大学客員教授。

閉じる